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        英語名は、月がこの軌道や近くにあるとき、月に食(eclipse)が起こることに由来する。
        黄道は、地球の赤道を天球上に投影した天の赤道と約23度27分の角度で交差している。
        
          この角度は黄道傾斜角といい、何百万年もほとんど変わらないが、正確には現在、1世紀に48秒角の割合で数千年間減少を続けており、22度54分の角度になったところで増加に転じると考えられている。
          古代ギリシャ(日本-縄文時代後期)の地理学者で数学者、天文学者でもあったエラストテネスは、黄道傾斜角を23度51分と計算している。
        黄道と天の赤道が交わる2つの点は、交点または分点と呼ばれる。
        
          太陽は3月21日ごろ春分点に、9月21日ごろ秋分点に到達する。
          黄道上で分点の中央にあるのが夏至点と冬至点で、太陽はそれぞれ6月21日ごろ、12月21日ごろに到達する。
          北半球ではこの4点は、その日から各季節が始まることを意味している。
          黄道面と赤道面が反対の方向に回転しているために、黄道上の分点の位置は毎年少しずつ移動する。
          
            そのため春分、夏至、秋分、冬至は年によって異なる。
          2つの平面は互いに相手に対して2万5868年かけて一周する。
          黄道に沿って分点が移動することを春分点の歳差という。
          
            星の正しい位置を知るには、歳差の分だけ天球図を修正しなければならない。
          黄道座標
        
          地球表面のある点を示すのに緯度と経度が使われるように、天文学でも天体の位置を示すために座標系が使われる。
          黄道は、黄道座標の基本円として使われる。
          黄道座標では、春分点を起点(0度)とし、黄道上に西から東へ360度まで黄経(こうけい)をとり、黄道の南北に−90度から+90度まで黄緯をとる。
          かつては、黄道付近を運動する太陽や惑星、月などの視位置を正確に表示できることからよく利用されていた。
          現在、最も利用されている赤道座標では、黄道から南北に赤緯が測られ、春分点から東西に赤経が測られる。
        ホロスコープ・占星術において
        
          黄道は春分点を起点として、黄道十二宮と呼ばれる南北に幅が8度で、黄道に沿って30度ずつの12の弧に分けられる。
          
            これらの宮は黄道が通っている星座の名前で呼ばれている。
            かつて中国や日本で利用されていた二十四節気においても、黄道の各分点が重要な意味をもっていた。
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