| 台風 | 
      たいふう 
      Typhoon | 
    
    
      
      
        - 日本の気象庁の定義では、北太平洋の南西部に発生する暴風雨で、最大風速が17.2m/s以上に達したものをすべて台風と呼び、それ以下のものを熱帯低気圧と呼んでいる。
      
  
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        - 世界気象機関(WMO)の定義では、東経180度以西の北太平洋や南シナ海に発生する熱帯低気圧で、最大風速が64ノット(33.1m/s)以上のものをタイフーン(Typhoon)と呼び、63ノット以下のものはトロピカル・ストームと呼んでいる。
        
          - 「台風」はタイフーンの当て字。
          
 - 熱帯低気圧のうち、メキシコ湾やカリブ海に発生するものはハリケーン(hurricane)、ベンガル湾やオーストラリア付近のインド洋に発生するものはサイクロン(cyclone)と呼ぶ。
        
  
        
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        - 発生
        
          - 海面温度が26〜27°C以上の海域で、海面からの蒸発が盛んで空気中に大量の水蒸気が含まれていることが必要。
          
 - 年間を通して熱帯低気圧が発生するのはフィリピンから赤道付近にかけての台風海域だけ。
          
 - 台風は年平均約30個発生し、その約3分の1が日本へ接近し、4〜6個が日本列島に上陸して、強風と多量の降水をもたらす。
          
 - 台風は上陸すると水蒸気が充分に供給されないため急速に衰える。
        
  
         - 形状
        
          - 台風の等圧線はほぼ同心円で中心に近づくほど密であり中心気圧は極めて低い。
          
 - 最大風速は中心から20〜100km付近で起こる。
          
 - 中心付近には風が弱く晴れて青空の見えるところがあり、これを台風の目という。
        
  
         - 大きさ
        
          - 半径が500km以下:台風
          
 - 500km以上、800km以下:大型の台風
          
 - 800km超:超大型の台風
          
 - 平均風速が25m/sを超える範囲:暴風域
        
  
         - 強さ
        
          - 台風の強さは、10分間平均の最大風速により分類される。
          
            - 最大風速17m/s以上、33m/s未満:台風
            
 - 33m/s以上44m/s未満:強い台風
            
 - 44m/s以上54m/s未満:非常に強い台風
            
 - 54m/s以上:猛烈な台風
          
  
           - 日本本土に上陸した台風の最低気圧記録
          
            - 1934(昭和9)年の第1室戸台風の911.9hPa(ヘクトパスカル)。
          
  
          
         - 雨
        
          - 陸上での総降水量が200億トンを超える台風を雨台風ということがある。
          
 - 台風は日本の重要な水資源の一つ。
          
            - 台風が来れば被害が懸念されるが、しかし来ないと確実に渇水状態になる。
            
              - うまくいかないもので、渇水地域には来ず、水が足りている地域に来ることが多い。
            
  
            
          
         - 季節
        
          - 9月が台風の被害の最も多い月で、昔から二百十日(にひゃくとうか)や二百二十日(にひゃくはつか)には台風が来襲するといわれ、そのころに吹く強風または台風のことを野分(のわけ)と呼んできた。
        
  
         - 被害
        
          - 暴風雨を伴い大きな風水害を与えたり、大きな気圧降下と風によって高潮を引き起こしたり、フェーンによる大火の原因ともなる。
          
 - 近年は予報・防災技術の発達により、大きな被害は起きにくくなってきたが、一方で、地球温暖化によるスーパー台風の発生が懸念され、利根川の決壊による首都圏の水没など、従来の台風をはるかに超えた勢力による被害が警告されるようになってきた。
        
  
        
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        - 気象観測が行われるようになってから1000人以上の死者・行方不明者が出た、日本のおもな台風
        
          - 1934(昭和9)年 第1室戸台風:死者2702、行方不明者334
          
 - 1945(昭和20)年 枕崎台風:死者2473、行方不明者1283
          
 - 1947(昭和22)年 カスリーン台風:死者1077、行方不明者853
          
 - 1954(昭和29)年 洞爺丸台風:死者1361、行方不明者400、日本史上最大の海難事故、青函連絡船の洞爺丸沈没事故が起きた。
          
            - この事故により青函トンネルの実現が一気に加速化する。
          
  
           - 1958(昭和33)年 狩野川台風:死者888、行方不明者381
          
 - 1959(昭和34)年 伊勢湾台風:死者4697、行方不明者401
          
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 - 2011(平成23)年8月末に発生した台風12号は、和歌山、奈良、三重の3県で死者50人、行方不明56人となり、平成に入って最大の犠牲者を出した台風となった。
          
            - 山がまるごと崩れる深層崩壊や山が崩れて川をせき止める土砂(どしゃ)ダムの発生がクローズアップされた。
            
 - 「土砂ダム」はマスコミ造語で土木用語では「天然ダム」だという。
            
 - 天然ダムでは決壊の可能性の切迫感がないため土砂ダムという言葉が使われた。
          
  
          
        
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      | 2011.09.22/2010.06.06 | 
    
    
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